Novel

□ボクを待たせる君が悪い
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「ねぇ、アンジェ」
「はい?」

日の曜日の学芸館。
本来は休みで女王候補の彼女が足を踏み入れていることはない。
だけど今日は本棚の整理を手伝ってもらうために足を運んでもらった。

…まぁ、そうでも言わないと彼女は来てくれないだろうからね。

そう考えて呼んだのだけれど
昔好きだった画集が出てきて、ついつい夢中になってしまった

「そんなに見つめて…君、ボクに穴でも開けるつもりなのかい?」

じぃっと大きな瞳で熱い視線を送られたら気づかないふりが出来ない。
振り返ると真っ赤な顔であわてるアンジェの姿。
可愛らしいそれに笑ってしまう。

「だ、だって…セイラン様、本ばっかり」
「君は本にヤキモチを妬くのかい?」
「……だって…」

あぁ、女王候補といえどやはりまだまだお子様だ。
言葉に詰まって頬をふくらませて睨む姿は子供そのもの。
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