Novel.V

□鈍感なHONEY
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他の男に笑うお前が気に入らない。

自分じゃない男に頼るお前が気に入らない。

俺の知らないお前が居ることが気に入らない。

「柚木…先輩?」
「…ねぇ…笙子。」

むかつくんだよ。

お前は俺の隣にいればいいのに。
フワフワとタンポポの種のように飛んでいってしまう。

今日だってそうだ。

以前は、俺との演奏練習が当たり前だったのに…。
最近お前は来なくなった。

日野が冬海の音色が変わったと言っていたから直々に練習に誘ってやろうと思ったのに。

おまえは土浦と楽しそうに笑っていた。
あんな柔らかい表情俺だけだと思っていたのに。

それを見てからザワザワと胸が苦しくて仕方なくてイライラする。
それもこれも全部お前のせい。

「責任…とってよ。」

無理矢理かさねた唇は甘くて優しくて涙が出そうになった。

あぁ…こんなに好きなのに
どうしてキミは気づかない?

いい加減に気づけよ。
お前が思っているほど俺はいい奴じゃない。

男は狼に変貌する

〜 END 〜
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