海色の瞳
□番外編〜〇〇と絡もうZ〜
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―――ただいま帰りましたグリムジョーさんっ!
そう言って笑うウミ。
「…遅ェんだよ、バカ」
ソファに寝転がるグリムジョーを笑顔で覗き込んできた彼女に触れようと右手を伸ばした。
しかしそれは虚しくもウミに触れることなく空を切った。
ぱたりと再び自分の横に落ちた右手で目元を覆う。
情けない、その一言に尽きる。
ただの自分勝手な想像に反吐が出そうになった。
ウミが笑顔で戻ってくるはずはないのだ。
彼女を怒らせたのは、…傷付けたのは他でもないグリムジョー自身なのだから。
(…俺の方が、よっぽどバカみてえだ)
くだらない言葉にカッとなってウミの言い分を遮って…。
大きな後悔と自分への苛立ちがグリムジョーにのしかかる。
泣き出しそうな顔でこちらを見つめていたウミは、一体何を伝えようとしていたのだろう。
どうして聞いてやらなかったんだろう。
誰とどこにいるのだろう。
何を思っているのだろう…。
終わりの見えない問いが渦巻いておかしくなる。
そんな風におかしくなってしまうくらい、ウミを想っているのにうまくいかない。
自分の想いがどうしたらウミに伝わるのか、伝えられるのか…グリムジョーは頭を抱えた。