海色の瞳
□じゅうろくとはんぶん。
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「グリムジョー、残念な話をしなくてはならない」
(…全然残念って顔してねぇし…)
藍染は足を組む。
今日は自分を批判する者はいないため、悠々と構えていられるのだ。
「ウミが現世に送られてしまってね…、君としてはそんな弱い従属官を傍らに置いておく気はないだろう?」
「…、」
それにと藍染は付け足す。
―――彼女にとってもその方がいいんじゃないかと思うんだ。
「……藍染様の、仰せのままに」
「藍染様、ウミを迎えに行く許可を私に」
そう発言したのはハリベルだった。
グリムジョーはハリベルを驚愕の眼差しで見た。
…これ以上女を侍らせるつもりなのだろうか。
「…俺にも行かせてください」
次に言ったのは、スタークだった。
隣でリリネットも何度も熱心に頷いている。
「俺も行きます」
「僕も行きたいです」
「儂も行こう」
「…俺も、行かせてください」
次いで、ノイトラ、ザエルアポロ、バラガン、ウルキオラと続いた。
グリムジョーは信じられないといった顔をして、彼らを見やる。
「随分と人気なようだ、君の従属官は」
―――君は、どうするんだい。
グリムジョーは押し黙る。
ウミは確かにグリムジョーの従属官であるが、グリムジョー自身何故それを許したのか分かっていなかった。
(…なんで)