海色の瞳
□じゅうろく。
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「最低」
そんな私の頭を冷やすように、ロリの冷たい声が響く。
私は深呼吸した。
「サーシャ…。あんた、最低だわ」
サーシャ、はぴくりと眉を動かした。
メノリは何も言わず、私の隣で彼女を睨み続けている。
ロリは続けた。
「型破りだけど、それでもウミは私達の同士だわ。グリムジョーの従属官に選んで貰えなかったからって、ウミを僻まないで」
―――あんたの嫉妬の方が、よっぽど醜いわよ。
「行こ、ウミ。気にしないことよ、こんなの」
メノリが私の手を引いた。
サーシャは私に言う。
「醜くても構わないわ。貴方が壊れてくれるなら、私は何だってする。ぽっと出の人間なんかに、グリムジョーは渡さないんだから」
その時の彼女の目は本気だった。
どきりとした。
「…私だってグリムジョーさんが好きです。貴方に負けないくらい、大好きですから」
右手にある雑巾を握りしめ(締まらないなー…)、私は彼女に言った。
周りの破面たちは納得いってないようだった。
しんと静まり返った食堂に、私の声が響いた。