海色の瞳
□じゅうろく。
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「正解だろう?」
「違、います…」
グリムジョーが好きだから、私は此処に残りたいんだと思ってた。
…そうじゃない。
向こうで私が必要とされてないから私は元の世界に戻りたくないんだ。
藍染さんは必要としてくれたから。
グリムジョーが従属官として、私を認めてくれたから。
みんなが優しいから。
「違わない。現にお前は言葉を失くしている」
「貴方、寂しいのね」
そう言ったのは、こないだグリムジョーに魅惑的な体を押し付けていたお姉様的破面。
見下したような哀れんだ視線を向けられて、とっさに目を逸らした。
「何やってんのよアンタ達!」
ばたばた騒音がして、走りよってきたのはロリとメノリだった。
周囲の空気が濃くなった気がした。
「あら、昇格おめでとうロリ、メノリ」
「サーシャ…」
「ウミに手出ししたら、いくらアンタでも容赦しない」
―――やだ、そんな怖い顔しないでよ。
そう言って“サーシャ”は笑う。
…でも、目は笑ってない。
「唯でさえ醜い顔なのに」
ぶちん。
私の中の何かが切れた。