海色の瞳

□じゅうし。
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「でも…、君は愛に飢えてるワケじゃないみたいだね」

愛って…ピンクアポロ!
シリアスな雰囲気を作りたいのか知らないが、私は笑い出しそうだ。
顔に似合わないことを言うのはやめい!

「そう…ですね。いや、でも愛って…何ですか?」
「俺が教えてやるよ」
「結構です」

ノイトラは違う意味の愛を教えてくれそうだから、遠慮する。

「…今までこうして…、変に屈折せずに生きてこれたのは、施設がそれなりに温かかったからでしょうね…」

『いただきます』や『ごちそうさま』、その他の挨拶、話す態度もそこで学んだ。
私のきっちり症の根源がそこにある。

「誰にも愛されない人なんていないと思います。…少なくともこの世界に生まれ落ちた瞬間は、絶対に誰かが側にいるはずですか、ら…」

そこまで言って、はっとした。
食堂における破面が皆こちらに注目していた。
あれ、なにこれ。
一人だけ喋ってるとかどんだけだよ私。
辱めを受けてるね。

「…あの方は、藍染様は一度でも私たちを愛してくれただろうか…」
「!ええ、きっと」
『……』

空気重いな!
みんなどうした!?

爆弾投下したの私だけどな!

みんなのテンションが沈みに沈みまくっている中、私は一人寂しく『いただきます』『ごちそうさま』の説明をした。
挨拶には命を尊ぶ心ってのがあるんだぜ!


(ちょ、誰も聴いてなくね?)




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