海色の瞳
□じゅうし。
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「じゃあ、場を盛り上げる為に語っていただこうじゃないか。その言葉と、ウミの日常について」
「…え?」
こっ…こらピンクアポロ!
そんな野暮なこと聞くもんじゃないぞ!
「…そりゃいいな」
ノイトラは乗り気だ。
近くから椅子まで引っ張ってきている。
他の十刃も、すたすたと同じテーブルに集まってきた。
私は…、観念した。
「…何からお話しましょうか」
「じゃあ、家族構成から」
家族構成って…ベタな。
ピンクアポロの期待を裏切るようで、悪いですが…。
「私だけです」
「兄弟は?」
「いません。…正確には、分からないんですけど」
あー、だからヤだったんだよ自分の話するの。
空気が心なしか重い。
ちらと皆さんを見やると、なんとも言い難い表情をしてらっしゃる。
一応人間の家族って何なのか知ってるようだ。
「…両親は」
「幼少の頃に蒸発しましタ。…だから、最近まで施設にいたんです」
いつの間にか現れたスタークさんに言葉を返す。
一人暮らしを始めたのはつい二、三年ほど前のこと。
「バイト(…意味分かるのかな)で生計を立ててます」
てか高二で生計立ててるとか!
なんか悲しいよ!
でも貯金だってしてるし、バイト時給いいから単行本を買いあさってる。
とりあえず、この空気をどうしようか。