海色の瞳

□じゅうし。
2ページ/4ページ


「じゃあ、場を盛り上げる為に語っていただこうじゃないか。その言葉と、ウミの日常について」
「…え?」

こっ…こらピンクアポロ!
そんな野暮なこと聞くもんじゃないぞ!

「…そりゃいいな」

ノイトラは乗り気だ。
近くから椅子まで引っ張ってきている。
他の十刃も、すたすたと同じテーブルに集まってきた。
私は…、観念した。

「…何からお話しましょうか」
「じゃあ、家族構成から」

家族構成って…ベタな。
ピンクアポロの期待を裏切るようで、悪いですが…。

「私だけです」
「兄弟は?」
「いません。…正確には、分からないんですけど」

あー、だからヤだったんだよ自分の話するの。
空気が心なしか重い。
ちらと皆さんを見やると、なんとも言い難い表情をしてらっしゃる。
一応人間の家族って何なのか知ってるようだ。

「…両親は」
「幼少の頃に蒸発しましタ。…だから、最近まで施設にいたんです」

いつの間にか現れたスタークさんに言葉を返す。
一人暮らしを始めたのはつい二、三年ほど前のこと。

「バイト(…意味分かるのかな)で生計を立ててます」

てか高二で生計立ててるとか!
なんか悲しいよ!
でも貯金だってしてるし、バイト時給いいから単行本を買いあさってる。


とりあえず、この空気をどうしようか。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ