海色の瞳

□じゅうさん。
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「…いいんですか?」
「駄目だ、てめえは此処で食え」

一応他の破面も居るが、この十刃と従属官の集団には近寄ろうとはしない。
VIP席からのお誘いには、とてつもない魅力がある。

(しかし今ルピが十刃の所にいるからグリムジョーは私の隣にいるのだ!)

「ウミ、俺んとこ来いよ」

にたにたとえろい笑みを浮かべているのは、もちろんノイトラだ。
スタークさんはまだ来てないな…。
バラガンさんもいないし。

「…此処で食え」

言い聞かせるように、グリムジョーは再度言った。
なんだか嬉しくて、二人のお誘いを丁重にお断りした。
食事をし始めて思うのはこいつらいつテーブルマナーなんか覚えたんだろうかってこと。
カチャカチャ音をたてられない。
…会話がないから!

「い、いっつもこんな空気なんですか」

出来るだけ小声で、隣に座ったテスラに話しかける。
切れ長の瞳は、ちらとこちらを見、口の中のものをすべて飲み込んでから話し出した。

「いつもと何ら変わりない。…これが、日常だ」

こんな日常絶対やだ。
毎日、とはいかないまでも…何度も顔を合わせるんだから、会話くらいするもんでしょう。
それとも何か。

私がおかしいのか?




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