海色の瞳
□じゅうに。
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ふわふわのワイスの髪に手を通し、私は東仙さんに尋ねた。
「東仙さんは…、グリムジョーさんのこと嫌いなんですか?」
「…何故そう思う?」
東仙さんが、一瞬きょとんとしたような気がした。
腕ちょんぎっちゃうくらいだ。
実はこの世界で一番憎んでいるとか言われたら、私はきっと泣きます。
だばだばと。
東仙さん何気に好きですから。
なんでって…東仙さんは、ドレッドヘアーを一つに結ぶべきだと思うからです!
校則違反です!(何)
「何故って、左腕をチョンパしちゃったじゃないですか」
「…チョンパ?」
「ええっと、ぶった斬ることです」
…なんか違う気がする。
私は語彙数が少ないので、…まあそういうことにしておく。
「…あの時は少し頭に血が上っていた。憎しみだとか、そういう特別な情は沸いていない」
「そうですか、良かった…」
私が胸を撫で下ろした次の瞬間。
「だが、謝罪する気もない」
「…!」
ウミの心に痛恨のダメージ!
やっぱり秩序を乱す者はいけ好かないですか!
情けない声を出さないようにと、なんとかこらえる。
情けない声は出さないけど、ため息はなるべく大きく吐いた。
(どうやら東仙さんにグリムジョーの魅力が伝わるのは、ずっと先らしい)