海色の瞳

□きゅう。
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「…?新しい部屋ですか?」
「てめぇの荷物…、まだここにあんだろーがよ」
「!はい、丸めた靴下もローファーもスーパー袋に詰めたまんまです」
「それは出せよ」

冷静なツッコミに苦笑しながら、鞄を肩にかける。
恐る恐る鞄の中にあるスーパー袋をつまみだし、眉を寄せる。

「…綺麗になってる…?」

スーパー袋の中には、ぴかぴかに磨かれたローファーと、あからさまに新品であろう靴下が入っていた。

何だろ…新手のいじめ?

…違うか。
私がスーパー袋とにらめっこを繰り広げていると、グリムジョーが呆れたように呟いた。

「…ウルキオラだろ」
「マジですか」

若妻みたいだな!
旦那は私が立候補するけどね!
エプロンはピンクがいいと思うんだ!
ウルキオラは不器用なんだけど、旦那(私)に迷惑かけまいと頑張ってドジる。
…めっちゃ萌えるじゃん。
なんだそのシチュエーション。
最高!

「なあ、お前本当に頭大丈夫か?」
「…自信ないです」

うん。
グリムジョーは誤った選択をしてしまったのではなかろうか。
そりゃ、手下は居ないより居る方がいいと思いますけど…。
来客用の部屋を後にして私達(グリムジョーを一緒に括っちゃっていいのか!?)は廊下を歩く。
迷子にならないのは変だと思う。
グリムジョーが足を止める。
それにならって、私も止まる。
彼の前にはこれまた白い扉がある。
その扉に鍵を差し込む訳でもなく、バーンと勢いづけてグリムジョーは扉を開いた。

(瞬間、小さくひいっとか言ってしまったのは言うまでもなく…)




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