海色の瞳

□きゅう。
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「…お前何なんだ」
「いえ、人間です…多分」

自分で考えてて悲しくなってきたとか…マジない。
眉を八の字にして、私はため息をついた。
頭の中にはさっき考え始めた、『グリムジョーが誰に香水選んでもらったのか』という疑問がまだ渦を巻いている。
いや、分かってたよ?
グリムジョーかっこいいから、モテるに決まってたし…。

「あ、」
「あぁ?」
「グリムジョーさん、ありがとうございました」
「……は?」

グリムジョーは怪訝そうな顔をしてこちらを見ている。
お礼忘れてたから、今言っとこうと思って!
白い廊下。
やはり無機質で冷たい建物。
案内を残す場所は部屋のみらしい。

「何だよ急に。…てめぇ頭でも沸いたのか?」
「頭は元々沸いてますってば。…さっきですよ、さっき」
「……?」

本気で分からないのか、この人。
か、可愛いな。
天然か策士か…!
従属官のことです、と言うとグリムジョーはハッとした。
びっくりしてるような、してないような…むしろ睨まれているような…。

「うるせぇな、過ぎたことだろ」
「あ…でも嬉しかったんで、その…一応と言いますか…」
「……」

グリムジョーはちらりと私に視線を移して、また前に戻した。

「着いたぜ」

着いた場所は先ほどまで来客用の部屋だった場所、つまり私が使用していた部屋だ。




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