海色の瞳
□はち。
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「もういいよ、ザエルアポロ」
「はい」
肩で息をしながら、私は偽グリムジョーを睨みつけた。
一瞬でもときめいた私の頭を半分に割って洗浄してしまいたい!
グリムジョーの従属官(まだ決まってないけど)失格だ。
「今のは立体映像。声は変声機を使ったんだよ」
「ザエルアポロ…、さん。近くで見ると、ピンクってヤバいんですネ」
「…うるさいな」
あ、ちょっと気にしてた?
「はは、でも僕は有り得ないです。ちょっと私に謝ってください、土下座で」
「え」
「グリムジョーにそんなセリフ喋らせやがって阿呆か、阿呆なのかあんたは」
「だから変声機を」
「知ったこっちゃねー」
おつむに来てしまった私は最早敬語もくそもない。
グリムジョー愛なめんな!
「…その辺にしとけよ、女」
「あ、…」
ほんものらしい。
メーターが振り切れてる(何の)。
…近いし。
そして人間→女へランクアップした。
「ちょっとした実験だったんだ。気を悪くしたなら謝ろう」
その高さから見下ろしといて謝るも何もないでしょうよ。
むしろ見下してんだろ!
では、気を取り直して…。
「グリムジョー。ウミは君の従属官になりたいみたいなんだ」
ごくんと喉が鳴る。
グリムジョーが出す答えは是か非か。
(断られたら泣きそう…)