海色の瞳

□はち。
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「グリムジョーなんかより僕と一緒に居らん?ウミちゃん好みやし」
「ギ、ギンちゃん…さん…」
「細いし胸あるし…まあ頭はちょお残念やけど」
「そっその辺はいちいち言わなくても!」

さくっとくるぜ!
ギンちゃんに誘われるとは思ってもみなかったよ!
でも私グリムジョー一筋だから!

「嬉しいんですけど…、私やっぱりグリムジョーさんの下にくっ付いていたいです」

もしグリムジョーが現実に存在するなら、世間はそんな健気な私をカタカナ五文字で呼ぶ。

いやそんな…ストーカーだなんて。

グリムジョー、と藍染さんが暗闇の中に声を投げると隅から現れる愛しのハニー!
ばちんと目があって、私の心音は除夜の鐘並に大きな音を立てる。
それと同時にちょっと不安。

鬱陶しいって思われたかしら…。

(さっきの発言はもう既に頭にナイ私)

「彼女はこう言ってるんだけど、君はどうかな」
「俺でいいなら喜んで!」
「おっまえ誰だゴラァァア!」

アイツ誰だオイ!
危うく殴りかかる所だった。
見た目はグリムジョーだが中身別人。
爽やかオーラにチラッと魅せる白い歯。
…何のCMだよ。

「誰って僕は」
「なっ…!僕とか言ってんじゃねぇええ!グリムジョーの姿形だけ真似しても彼奴の心まではてめぇのもんにはなんねえんだぞゴラァア!てめえの足袋の底に画鋲刺すぞ、おい!なにもんだお前は!」

足袋の構造よく分からんが、きっと痛いだろ。
足の裏に届かなくても、歩く度にカツカツいって恥ずかしいんだ!


(…草鞋?)




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