海色の瞳
□ろく。
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扉を無粋に叩く音。
私は扉に視線を注いだ。
グリムジョーに視線を戻すと、彼は嫌そうに扉を見つめている。
「私が出ましょうか?」
「黙ってろ、人間」
「っう!」
また『人間』呼ばわり。
さっきのはやっぱり幻聴…か。
「グリムジョー、人間の女がそこに居るだろう」
「…居たらどうすんだ」
外から聞こえてきたのはウルキオラの不機嫌そうな声で、いつもより数段トーンが下がっている。
なんだろ。
もう休憩タイムは終わりなのかしら…。
「その女は俺が任務から戻るまでに部屋に戻せと言った筈だが」
「え?」
「知らねえな」
何がどうなっているのか分からない。
ええっとつまり、グリムジョーは嘘をついてて彼に私の世話は任されてない、と。
…あれ?
「構ってくれてた…んですか?」
え、いやマジで?
なんだこの展開は…!
ちょっ…本気でおいしくないか!?
一人だけニヤニヤしている私に、二人は見向きもしない。
…はい、調子にのってましたー。
反省してます。
グリムジョーが惹きつけられるほど魅力ないですよね。
ええええ、分かってますよーそれ位…(いじけ)。