海色の瞳

□ご。
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なんとか収拾をつけた部屋で、私はグリムジョーを見つめていた。
伏せられたまつげが時折揺れて、私はその度に身構えた。
電波のない携帯の待ち受けにはグリムジョー。
時刻は確実に時を重ねていて、本当にトリップしてるんだろうかと少し不思議に思った。

「…っ」
「グリムジョー、さん?」

よくない夢でも見ているのか、魘されるグリムジョー。
本誌でも単行本でも、彼は一切弱い自分を見せようとはしなかった。
頑なに自分を誇示し続けることで、彼は何かを得たのだろうか。

答えは否だ。

失ったものは大きく、そして彼がそれに気付くのは一体いつになるのか。

「…は、…っ…!」

いや、もしかして。
彼はもう既にそれに気付いているのではないか。
私にはそんな気がした。

「グリムジョー…」

額にのせられたタオルがずるりと滑り彼の顔の真横に落ちた。
私はグリムジョーの手を握る。

「シャウロン・クーファン、イールフォルト・グランツ、ディ・ロイ、エドラド・リオネス、ナキーム…。彼らはもう何処にも居ません。それは確かにグリムジョーさんの命令違反が招いた結果かもしれません…」




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