海色の瞳

□し。
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私の鞄から飴玉の存在が掠れていきそうになった頃、軽く扉がノックされる。
グリムジョーに飴の味について質問を浴びせられ、ほとほと困りきっていた私は訪問者に少し感謝だ。

「夕食でございます」
「置いたらさっさと出てけ」
「ありがとうございます。わざわざすいません」

全く正反対な言葉を掛けるグリムジョーと私。
運んできた破面の人(?)も困惑していたようだった。
ワゴンにのせられた二人分の食事を見て、私は絶句する。

料理が豪華すぎる。

藍染さん絶対アレだろ。
死神やってるときのご飯が質素だったから死神辞めたんだろ。
絶対そうだ、うん。
でも二人分のってるってことは。

「…グリムジョーさん、一緒に食べて頂けるんですか?」
「てめぇ見張ってなきゃいけねえからな」
「ありがとうございます!一人のご飯って寂しいですもんね」
「そうか?」

え、と間抜けな声が出る。
十刃はみんな食堂みたいなところで食べてると思ってた。
藍染さん、もうちょっとしっかり決めなさいよ。

「馴れ合いは必要ねぇ」
「…そ、ですか」

あー、凹む。
本気で凹む。
馴れ合い必要ねぇってことは遠回しに私を邪険にしてるわけで、…そこまで考えてうなだれる。

「…冷めるぜ」
「あ、はい。すいません生きてて」
「ああ、さっさと食え」

微妙に会話が噛み合ってないが、殊更気にするようなことではないのであえてスルー。
グリムジョーの言葉を最期に、私とグリムジョーの会話は途絶えた。

(会話っつってもなんか成り立ってなかったけどね!まあ、基本ポジティブだからね!)




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