海色の瞳

□し。
2ページ/4ページ


「…んだ、コレ」
「飴です飴!ここ引っ張ると…」

中からソーダ味の飴が出て来た。
私はこぼれ落ちそうになったそれをグリムジョーの口元へ運ぶ。
グリムジョーは私の腕を掴んで、指ごと口の中に…。

「っっっわぁ!」
「細ぇ指だな…、甘ェ」

手!手!手!お手手はもう離してください!
鼻血が出る!
グリムジョーの舌が口からちろちろ出てて、しかもそれがなんかめちゃそそられる赤とか!
あわあわと慌てる私に目も暮れず、グリムジョーは飴玉を舌で転がしている。
ム、ムラムラ来るから舌を時々出すの止めなさい!

「…次」
「あ、何味がいいですか」

手を出してきた(可愛すぎる)グリムジョーの手の上に、掴まれなかった方(ハズレ)の手でたくさんの飴玉をのせる。
授業中に飴玉転がしてないと、妄想の世界に落っこちちゃうからね。
飴玉は常備してる。

「悪ィな」
「?いいえ」

それが何に対しての謝罪なのか、私にはさっぱり分からなかった。
いつもより弱気なグリムジョーはなんだか、可愛すぎる。
こんな時いつも近くに居られたら。

「無理な話ですよね」

私はふっと自嘲気味に笑った。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ