海色の瞳

□さん。
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「俺ァ欲望に忠実な男でよ、」
「知ってます」

そう言うと男は口を歪め笑い、私を持ち上げ肩口に担いだ。

「無理矢理ってのも、燃えるよな」
「いや、燃えないです。むしろ萌えます」

乱暴にベッドに括りつけられた体の上に、覆い被さるノイトラ。
何て言うんだっけ、これ…。

「そうだ、絶体絶命」
「そりゃ死ぬときだろ」

だって今色んな意味で死ぬときじゃないですか。
声を上げないのは、何だろう…クセ?
きっと私は頭に銃口突きつけられても笑っちゃうタイプだ。
ノイトラの手が私に伸びてきたまさにその時だった。
扉が吹き飛んだ。

「…ノイトラ、何をしている」
「…チッ」

壊したのはウルキオラだった。
私はここでグリムジョーが助けに来てくれると思っていたのに。

「貴様もだ、女」
「すいません。疲れてて力出ないっていうか」

まあ、そんな感じです。
ノイトラは私の耳元で囁くように言った。

「次は邪魔のねぇ場所でヤろうぜウミ」
「ヤる気ないです」

苦笑を浮かべるとノイトラは私を鼻で軽く笑った。
ウルキオラはその間ずっとノイトラを睨んでいた。

「貴様は藍染様の意志で生かされているだけの身だ」
「ええ、でも私は自分の意志で生きています」
「…なんだと?」
「生かされているって言っても、結局生きているのは私ですから。死のうと思えば死ねるじゃないですか、…誰だって」

私が独り言のように呟くと、ウルキオラは変な顔をした。
…変な顔はヒドいか。
ウルキオラは手に持っていた小さな袋を私に投げる。

「…十刃の部屋にならシャワー室が備わっている。来い、女」
「ウミですってば」

何で十刃の部屋にだけ、と思ったがモテるからかななどと深くは考えなかった。




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