海色の瞳

□さん。
2ページ/4ページ



「あのー、シャワーってお借りできますか?」
「…それは暗に下着を用意しろと催促しているのか」
「あ。…そう、ですね…。出来ればそれもお願いします」

私はそんなに長い時間雨に打たれていたのか、って程びしょびしょだ。
ウルキオラは部屋からは出るな、とだけ言って去っていった。
やっぱり藍染さんが気にしている人間だからってのもあって、割と要求は通るらしい。
特にすることもなく、私は呟いた。

「携帯って、使えるのかな…」

パカッと携帯を開くと電池が残り少ないものの、ちゃんとディスプレイは光っていた。
アドレス帳を開いて、次の瞬間。
…あ、圏外。
何となく予想はしてた。
外部と全然繋がってない所だし、電波入るわけないよネ…。

「!」

ガチャガチャと扉を開ける音がしてそちらに目をやる。
椅子に座るべきか、それともベッドに腰掛けるべきか悩んでいる所だった。

「あ、」
「よぉ」

薄ら笑いを浮かべて、ノイトラが部屋に侵入してきた。
背、高いなぁ。
ずかずかと侵入してきた彼は私を品定めするかのように見る。

「なかなか上物だな」
「本当ですか?正面切って不細工とか言われたらどうしようかと思いました…」
「変なヤツだな、てめぇ」

くつくつと笑うノイトラ。
その表情を見たのは初めてで、私は少し困惑する。
かっ…可愛い…!

「なァ、もう少し俺と親密な関係にならねェか?」
「すいません、未成年なんでちょっと無理です。兄貴分くらいで抑えて貰えませんか」

出来ればグリムジョーと親密になりたいです、と呟いた。

(…心の中でね)




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ