海色の瞳

□に。
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「人間人間て馬鹿にしますけどね、あんたらだって人間の類に入るんですよ!?」
「…何でだよ、人間」

今の今まで仏頂面だったグリムジョーが口を開いた。
息巻く私は止まらない。

「虚だって死神だって元は人間でしょうが!破面だって手を加えたのが藍染さんってだけで、藍染さんだって元は人間じゃないですか!人間殺すってことは近未来の虚を殺すことになるんですからね!分かったら馬鹿にするな阿呆!」

はーはーと肩で息をする。
濡れた髪をかきあげてイマイチ決まらない格好で私は言い切った。

(だって髪はぐしゃぐしゃだし、制服だって砂まみれでソックスとローファーは鞄の中で丸まってる!)

「どうして其処まで詳しく…?」
「は?常識ですよ」

少なくとも私の中では。

「どこまで知ってるんだい」
「どこまでって…っくしゅ!」

ヤバい、くしゃみ。
止まらな…。

「くしゅんっ!」
「寒い、のかい?」

きっと誰かが噂でもしてるんですよ。
そりゃまあ寒いのもあるけど。

「部屋を用意させるよ」
「え?いや、そんな…私に使われる部屋が可哀想です」
「まだ訊きたいことが山ほどあるからね。…ウルキオラ、彼女を頼むよ」
「はい」

何でウルキオラ。
…文句は言っちゃ駄目か。
山ほどって私も馬鹿じゃないから、もうペラペラ喋らんよ。
グリムジョー、暫しお別れだね。
そう思いながらグリムジョーを見ていると視線が交わった。
…が、すぐにそっぽを向いてしまった。


ツンデレ万歳。



→さん。


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