海色の瞳
□いち。
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「おい、聞こえてんのか?」
私は何も言えずにただ頷く。
目を丸くして、その言葉を発している人を凝視した。
え、何この時期にコスプレ?しかもノリノリ?てか声がモロあの声優さんなんですけどアレですか?チョークでも呑んだんですか?あんたは七匹のこやぎに出てくる狼ですか?残りの一匹捕まえれなくて残念だったね…じゃなくて。
今の私の状況は、俗に言う『トリップ』…?
あの砂丘みたいなとこってあれじゃないか。
虚圏の中。
そしてこの目の前の、海色の髪と瞳を持った無駄にガラの悪いおにーさんは…。
もしかしなくてもぐぐ、ぐり、むじょ…っ!?
「てめぇさっきから一人でなに百面相やってんだよ」
「っ!」
第一印象は大事。
…グリムジョーかっこいい。
つまり一言目に全てが懸かっている!
まずは挨拶。
挨拶…。
「結婚してください」
「…は?」
第一印象、最悪。
→に。