海色の瞳
□いち。
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「…っくしゅん!」
体を縮こまらせたまま、再びくしゃみ。
カタカタと体を震わせていて、ふと気付いた。
雨音がしない。
…もしかして止んだ?
「……」
そんな私の期待は、見事に裏切られることになる。
…なんだこれ。砂丘?
私の足下には肌理の細かい砂。
雨などない。
というか、何にもない。
「…ここ何処?」
辺りは確かに明るいが、照明があるわけでもなく太陽が出ているわけでもない。
ざっくざっくと砂に埋もれる足を引きずりながら兎に角歩いた。
湿ったソックスや足に、砂が纏わりついて…重い。
私はその場でソックスもローファーも脱いだ。
裸足の足をぱぱっと払い、常に持っているスーパーの袋にそれらを入れて口を閉め鞄に放り込んだ。
「…何してんだ、てめぇ」
「!」
後ろから聞こえた声に思わず振り返る。
ひぃっとか言いそうだった。
マジで。