今昔を生きる少女
□第伍話 二人を繋ぐ鎖
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久遠は義骸に戻っていた。
口を真一文字に結び、人通りの少ない路地を歩く。
ふと、足を止めて天を仰いだ。
ねずみ色の雲が空を埋め尽くしていた。
グリムジョーにあったのもこんな空模様だったな…。
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「ここが虚圏…」
荒れた砂地、どんよりとした空。
ムードもクソもないその場所で、二人は出会った。
「よぉ、死神」
背後から聞こえた声。
久遠が斬白刀に手をかける。
声のした方に体を反転させた。
そこにいたのは
水浅葱色の―――……
「破面…」
思えば最初から変なヤツだったのだ。
グリムジョーは……。
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