今昔を生きる少女

□第肆話 過ぎた刻
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久遠は追い切れないほどの早口で詠唱する。

彼女には分かっていた。

一護よりも自分が戦った方が分があるということを。

だが、ルキアを優先した。


「なんて愚かなのだ…私は…!」


ルキアの身を案じながらも、目は一護とグリムジョーを追っている。

一護はきっと卍解しても、グリムジョーには敵わない。

今は、まだ―――…。



「ガッカリさせんじゃねぇよ、死神!」


グリムジョーの声が響いた。


「卍解になってマトモになったのはスピードだけか?!あぁ?!」


砂煙の中から一護が見えた。

実際に放つのを見るのは初めてだったが、久遠は一護が何をしようとしているのか知っていた。


「…月牙天衝


一護の斬魄刀『斬月』から放たれた黒い刃がグリムジョーを襲う。

思いもよらなかったのだろう、グリムジョーはその斬撃を腕のみでガードした。

上体に大きな刀傷が残る。




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