海色の瞳
□じゅうろくとはんぶん。
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「……、」
何となく胸騒ぎがして目を開く。
深い眠りから覚めたグリムジョーは呆けた頭をゆっくりと覚醒させていく。
「………何で寝てんだ、俺…」
そこからか。
半裸状態でベッドから起き上がり、床に落ちた上着を拾い上げる。
敷かれたシーツの上にちょこんと置かれた湿ったタオル。
そこでやっと気付く。
ウミが居ないことに。
「あの女…、どこ行きやがった?」
短く舌打ちをするとグリムジョーは部屋を出る。
霊圧を探っても探査神経に反応はなく。
それもそのはず、ウミは既に虚圏にはいなかったのだから。
何故こんなにも苛立つのか。
ただの従属官…、それも人間の女がいなくなったくらいで。
グリムジョーはがしがしと頭をかく。
「…その内帰ってくんだろ」
そしてグリムジョーは元来た道を辿ろうと回れ右をする。
と、正面にはウルキオラが立っていた。
グリムジョーの眉間に、みるみるうちに皺が寄っていく。
「召集がかかった。…お前に十二分に関係のある話だ」
「……」
「すっぽかしてなどみろ。貴様が後悔することは間違いない」
ウルキオラはそう言って、広間の方へ響転で移動した。
ウルキオラがああ言うのは、グリムジョーがそう言えば、ちゃんと来てくれる真面目ちゃん☆であることを知っているが故だ。
(あの女が来てから召集が増えた)