海色の瞳

□にじゅうしち。
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隣ですやすやと寝息を立てる織姫ちゃんの頭を軽く撫でて、私は言った。

「…いってきます」

そうだ、サヨナラなんかじゃない。
一人心にそう言い聞かせるようにゆっくりと呟いた。














「おはよう、ウミ」
「おはようございます、藍染さん」

大広間。
此処には何度となく足を運んだ。
それもどうやら今日で終わりのようだ。

「夕べは、眠れたかい?」
「…いいえ。一睡も出来ませんでした」
「そうか。確か今日は約束の日だったね…。君の考えを聞くよ、ウミ」

微かに震える体を抱きしめて、私は顔を上げる。
椅子に深く腰掛けている藍染さんと目がかち合った。

「…うん?」
「私、戻ります。元の世界に」

広間が大きくどよめいた。
アパッチちゃんとミラ・ローズさんとスンスンさんが私の元まで走ってきた。
何故と問われるも、私は言葉を濁すばかりだ。

「お前自分が何言ってるか分かってんのか!?…グリムジョーのことは…もういいのかよ!」
「ウミ…あんたの気持ちなんて丸分かりだけど?」
「ええ、アヨンの心情を知るのに比べれば…とても」
「ありがとうございます。…でも、もう決めたんです」

きちんと笑えているだろうか。
周りの反応を見る限り、その可能性はかなり低いようだ。




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