海色の瞳
□にじゅうに。
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「ねぇワイス、私どうしたらいいんだろうね…」
「あー…」
今日はどうやら東仙さんは不在らしい。
みんな忙しいんだ…。
朝起きると、隣にあった温もりは既に消えていた。
朝食を一人食堂で取りこの部屋まで歩いてきたのだ。
「うー…、…あー…?」
「うんうん、そうだよね」
ワイスの言葉を良いように解釈して私は相槌を打つ。
…とりあえず、ワイスは今日も可愛い。
はぁ、とため息をこぼすとワイスが静かに私を見つめ返してきた。
同じ高さに屈んで、不安にさせたかも知れないと笑顔を作る。
「…う、」
「!…ワイス…」
そんな私の頭を、ワイスは慣れない動きでわしゃわしゃと撫でる。
昨日ハリベル姉さんに撫でていただいたばかりなのに。
ありがとうと言いながら、ワイスの頭をぽふぽふと撫でた。
ワイスはにっこり微笑み、私の名前を呼ぶ。
優しい声音に心が温められた。
「ウミ…、スキ…」
「っ私もワイス好き。大好きだよ」
もう一度ありがとうと言って、今度はちゃんと微笑んだ。
そのすぐ後に東仙さんがワイスを探しに来た。
東仙さんは私を見るや否や、腰にぶら下げていた…、さながらきび団子でも入っていそうな巾着袋を私にくれた。
「考えすぎはよくない」
中には色とりどりの飴玉が入っていた。
…きび団子じゃなかった…。