海色の瞳
□じゅうきゅう。
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「ほら、早く来いよ」
「や…あの足下っがっ!うわ!」
浮いてる!
正確にいうとがっしり掴まっちゃってる。
グリムジョーの右腕に。
「浮くぐらいできるようになれよ」
「いや、無理ですから」
きっぱり言うと、グリムジョーは喉の奥でくっと笑った。
その笑顔に見とれていたら手をぱっと離された。
私の体は空中で停止。
つまりは浮いた状態になった。
「気付いてねぇだろうが、お前…初めて此処に来たときのカスかった霊圧が嘘みてぇになってんぞ」
「マジ、ですか」
「だから浮いてんじゃねえのか?」
―――沈黙。
霊圧が上がったからって、すぐに体が浮くわけじゃないと思う。
でも確証もないし…。
うんうん唸っているとふと思った。
「グリムジョーさん…私、スカート…はいてるんですよ」
「スカ…?だから何だよ」
下から見えるじゃないか!
歩いてる人に申し訳なさすぎる!
あたふたしている私を横目に、グリムジョーは地面に降り立った。
幸いなことにそこには誰もいない。
だって此処は、私とグリムジョーが出会った場所。
砂の上だったのだ。