海色の瞳

□じゅうはち。
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「ところで、君は何者なんだい?」
「え」
「“破面”なんて単語を知ってる人間だ。なんか関わりでもあるんじゃねえのか」

答えに困って私は唸る。
そんなとき。
風の中にグリムジョーと同じ香水の匂いがした気がして、私は顔を上げた。

「…あ」
「破面…!」
「そんなに身構えんなよ。戦いに来たワケじゃねぇ」

蒼く立てられた髪、整った顔。
月が照らす愛しい人。
…来てくれた。

「その女を連れ戻しに来ただけだ」

ちらと私に目を向けるグリムジョー。

たった数時間。
されど数時間。

私には長すぎる程に感じられた。
一瞬目がかち合って、泣きそうになる。
あー、好きだ。大好き。
ところが何故か一角さんと弓親さんが私とグリムジョーの間に立ちはだかる。

…悪いんですが、邪魔です。どけよ。

そんな二人を見てグリムジョーの眉間にシワが寄る。
やべェ、怒ってるだろアレ。

「何度も言わせんな。…雑魚と戦う気はねぇぞ」
「人間に執着してんのか、てめぇ。破面なんかに渡せるかよ」

一角さんはそう言って、ポケットの中から義魂丸の入った…、(名前忘れた)ケースを取り出した。
グリムジョーは一角さんの言葉には応えずに、私に再び視点をあわせた。




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