海色の瞳
□じゅうろく。
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ウルキオラの忠告を素直に受け取るべきだった…。
「…人間だ」
「ああ噂の?グリムジョー様の従属官だよな」
「従属官…、人間が?」
視線が痛い。
ウェイターらしき破面に小さなパンを一つと、雑巾を貰った。
破面ウェイター(仮面ライダー?)は良識のあるまともな破面で、早く行った方が、と言ってくれた。
だがしかーし。
私を取り囲むようにしているこの方たちは一体何なんだろう!
…集団暴行でもおっぱじめますか?
「あの、戻りたいんですけど」
「人間は本来此処にいるべきじゃない。そうだろう?」
あれ、この人バラガンさんの従属官じゃなかった?
正解正解うるさい弁舌屋。
「ええ、確かに。でも」
「還る方法が分からない」
「……」
イライラ…する。
檜佐木さんよくこんなのと話してられたなー。
尊敬するよ、うん。
「お前は元の世界に戻る気がないんじゃないか?」
「…え」
「だから焦らない。方法を探そうともしない…」
そうだろう?と問われて私は言葉を返すことが出来ない。
頭が真っ白になった。
言われるまで気付かなかった。