海色の瞳
□じゅうご。
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…おはようございます。
ウミです。
風邪を引いたみたいです。
原因は、床に寝たからでしょうネ!
床ね、案外寒かった!
甘く見すぎた!床怖い!
「おい、起きろよ」
「…う゛…」
目を開くと、グリムジョーの足が視界に入る。
熱い、体。
グリムジョーの顔が歪んで見える。
えっと…うるうる?
「…おい?」
ぴくりとも動かない(ていうか動けない)私を変に思ったのか、グリムジョーはゆっくりと屈んできた。
ゆらゆら揺れる水浅葱が、自分の目が潤んでいるということを教えてくれた。
瞬きをすると目から雫がこぼれた。
「ごめ…、さい。かぜ、ひいちゃ、って」
頭の中はやけにスッキリしていて、ただ体や頭が暖かいだけなのに呂律が回らない。
てか弱すぎるよ私!
グリムジョーに迷惑かけるとか…!
私なんか便所紙(つまりトイレットペーパー)と一緒に流されちゃえばいいのに…。
…でこ…、冷たい。
冷たい?
「かぜって何だよ。…熱ィな」
「っ!」
グリムジョーの手が、私の額の上にある。
ただでさえ高い体温が急上昇していく。
「ったく…」
呆れたような声が頭上から降る。
で、体が宙に浮いた。
オ ヒ メ サ マ ダ ッ コ 。
人生でこんな嬉しいことが起こるとは思ってなかった。
しかも初体験(響きえろいな)がグリムジョー…!
「寝てろ」
ぼすんと下ろされたベッドの上。
あ、グリムジョーの匂い。
肺いっぱいにグリムジョーの匂いを吸い込んで、私は意識を手放した。