海色の瞳

□じゅうし。
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なかなかに楽しい食事(藍染さんが実は仏教徒だったというのを知れたし)を終え、私は食後のデザートを頂いていた。
その辺の喫茶店に普通にありそうなフルーツの盛り合わせに、私はがっついた。

「テスラ、行くぞ」
「はい」
「え?いやノイトラさん!」

食べ終わったのか、テスラを連れて食堂を出ようとするノイトラを呼び止める。
食べ終えたら言わなきゃならない言葉があるでしょう。
ノイトラはゆっくり振り返った。

「何だァ?ウミ。生憎今日の夜は空いてねえんだ」
「そういうのどうでもいいです。それより…ごちそうさまって言いました?」
「……あ?」

意味が分からない、といった表情でノイトラは私を見る。
ごちそうさま言わなきゃ駄目だよ!
いただきますは遅れて来たし、なんか興奮してたから忘れてた(最悪)けど!

「…ごち…?」

アパッチちゃんが呟く。

「…ウミ、その言葉が何を意味するのか教えてもらえないか?」
「え、もしや皆さん…知らないんですか…!?」

た、食べる資格ないぞあんたたち!
遠巻きにしている破面たちも、意味を知らないらしい。
なんでテーブルマナーを教えて、それよりもっと大事な『いただきます』『ごちそうさま』を教えてないんだ!
重國さんとかそういうことに関して厳しいだろ!
藍染さんちゃんと教育しろよ!
あんた脳みそ入ってるのか!?
入っててもつるんつるんだろ絶対。

全く…一般常識を何だと思ってるんだ、あのおっさんは!




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