海色の瞳

□じゅうさん。
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美女破面が見えなくなると、私は部屋の中に視線を戻した。
何とも言えない、微妙な空気。

「昼食の時間だそうで、えっと…食堂に行きましょうか」
「…なんてツラしてんだよ」

くっと喉の奥で笑うグリムジョー。
そんなこと言われても、自分の顔なんか見えない。
女の子が持ち歩く小さなくしも、鏡も生憎持ち合わせてはいない。
グリムジョーは私のほっぺたを引っ張りながら、あんなヤツに嫉妬してんのか?ご苦労だな、なんて言って笑う。

「…ひっほ(嫉妬)…」
「お前、まるで鬼みてぇな顔でアイツ見てたぜ」

だから最後にあの美女破面はひきつった笑いを見せたのだろうか。
てか鬼みてぇな…って!
嫉妬って!
そりゃしてるけど!
もしかしてあの香水選んだ破面さんかなとか、ぐるぐる考えてるけど!

「…っだってグリムジョーさんかっこ良すぎるんですもん!心配になりますよ!私だってグリムジョーさんのこと好きなのに!」
「!」

…告白するの何回目だ!
息の上がった私に、グリムジョーは手を伸ばした。
…この呆れ顔、絶対引いてるだろ。
そう思った瞬間、頭がチョップされる。

「って!」
「お前はガキか」
「すいません…」

もう一度ごちんとか鈍い音がして、私はグリムジョーを見上げる。
私は頭に手を乗せながら、ご飯食べに行きましょうかと再び誘いを入れるのだった。




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