海色の瞳
□じゅう。
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そわそわ。
他の人の部屋って落ち着かない。
そんな私とは対照的に、グリムジョーは『破面通信vol.17』を読んでいた。
…私もそれ読みたいんですけど!
「お、面白いですか?」
「…微妙」
顔を上げずに、グリムジョーはそう答えた。
切れ長の目にかかる長い睫がグリムジョーの顔に影を作る。
整った顔はやっぱりかっこよくて、胸がきゅんきゅ(帰れ私)。
「…暇ならぶらついて来いよ」
「グリムジョーさんは…?」
「此処にいる」
私の相手は疲れる、という言葉を言外に含みつつグリムジョーは早く出てけと言わんばかりに手をひらひらと振った。
とりあえず失礼します、とだけ言って部屋を後にした。
「はあ…」
「あら、いいタイミングじゃない」
廊下に出た瞬間、鈴のように凛と響く声がした。
そこに立っていたのは黒髪ツインテールの美女と緑髪ショートヘアの美女だった。
言わずもがな、ロリちゃんメノリちゃんである。
「ねえ、あんた人間の…」
「ロリちゃんメノリちゃんっ!やっぱり本物のが断然可愛いな!ぎゅってしていいですか?!」
「…はぁ?」