海色の瞳

□しち。
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「おー、起きた」
「……………はれ?」
「晴れ?虚圏に天気なんかねぇぞ」

働かない頭をなんとか働かせてみる。

本屋に行く途中夕立に見舞われて雨宿り中に縮こまってたら何でか知らないけど…あートリップしたんだった(長い)。

「えっと、それで…スタークさんとリリネットちゃんは何でこんなとこに…」

スタークさんの第1従属官、リリネットちゃん。
…マジ可愛い。
寝ぼけ眼を擦りながら目の前で仁王立ちしているリリネットちゃんを見上げた。

「藍染サマが呼んでるから、そのお目付役」
「てかあんた俺らの名前まで分かるんだな。すげぇ」
「え、ありがとうございます?」

そう言ってから大きく伸びをし、肩が凝っていることに気付く。
昨日制服のまんまで寝たからなぁ。
あーあスカートぐしゃぐしゃだし。
後でアイロン借りよ。
虚圏にもあるのか疑問だけど。

「お目付役って大変ですネ。すいません見張り甲斐のない奴で」
「俺的にはそっちのが助かるかな」

そう言って苦笑するスタークさんに胸打たれない奴は人間じゃない!
それくらい破壊力あるよこの笑顔!
かわ、可愛いよ…っ!

「なぁ名前は」
「ウミ、空野ウミです。呼び捨てで構わないですから!」
「そうか。よろしくな、ウミ」
「今日が命日かもだけどな、ウミ」
「サラッと怖いこと言うね、リリネットちゃんて…」

あはは、と私が乾いた笑いを浮かべる。

「…リリネット」
「え?リリネットちゃん?」

頭の上に疑問符を浮かべる。

「…リリネットって呼べってよ」

スタークさんがそんな私に助け舟を出してくれた。
この人は兄貴肌だと思う!

「ウミって変だな」
「よく言われます」

胸を張って言える!
私は変です!むしろ変態ですと!




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