海色の瞳

□ご。
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「っ変な、顔してんじゃねえ!」
「…元からです!」

なんかシリアスみたいになっていたが、今の状況はそうでもない。
看病するのでタオルとか取ってきます!と申し出た所、何故か必死になって私を足止めしている。

「てめぇを見張んのが…っ俺の任務だって言ってんだろ!」
「そんなに熱あるのにほっとけませんよ!ていうか寝ててくださいって!」

こんな押し問答を続けてどのくらい経っただろうか。
私はふっと意識をグリムジョーの体に移した。
グリムジョーの片腕からうっすらと血が滲んでいるのが見えて、一瞬身を引いてしまった。
当然私を押していたグリムジョーが上に覆い被さるわけで。
片腕がない分、うまくバランスを取れなかったようだ。
抱きとめるような形で、私はグリムジョーを支えた。
…ちゃっかり背中に手を回してみたり。

「っごめんなさい!グリムジョーさん…手大丈夫ですか?」
「急に引いてんじゃねぇ馬鹿野郎」

すいません、ともう一度謝り体を起こそうと顔を正面に向けた。

…が。

「…何見てんだよ」

近い。
なんかもうポッキーゲームの最中だよってくらい近い。
ヤバい。
頬に熱が集まる。
長い青いまつげに縁取られた瞳、触れ合ってしまいそうな近さの高い鼻。
まつげ私に分けてと言いたい。
あー今絶対顔赤い。

「…へえ?」

にやり、そんな笑みをグリムジョーは零した。

「そんな顔も、するんだな」

さっきまでヘラヘラしてたじゃねえかと言うグリムジョー。
熱い体、火照る心。
グリムジョーは近くで見てもやっぱりかっこよくて、泣きたくなる。
てか萌える。

「汗、…すごいですよ」

ポケットから出したハンカチを額にそっとあてた。




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