宍戸さん愛(他校)

□君が好き
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嫉妬はみっともないことだろうか?

「‥‥‥‥‥」

好きな人が誰かと一緒にいて、平静でいられる奴はいるんだろうか。
知らないふりをして、「仲がいいな。」と言えるだろうか??

俺は近頃、自分がこんなに嫉妬ぶかいと気付いた。

嫉妬して、気付いた気持ちだった。

「何だ?跡部」
「いいや。お前ら、そんなに仲よかったのかよ」
「‥‥まぁ、いいといえばいいのか?」
「まぁ‥」

宍戸と手塚はお互いを見合う。

「‥自覚ねーのかよ」
「ないな」
「そんな風に見えるのか」
「‥‥‥‥」

こいつらの鈍感さはどうかと思う。

見ていて、邪魔したくなる。

「男とやるなんてどうかと思うぞ」
「いいんだよ。実際、男並に強い奴だっているし!」
「‥‥‥ごつい女もどうかとな」
「筋肉が必要なんだ」

ぷいっとよそ見をする宍戸。
手塚はそれを何だか嬉しそうに見ている。
こいつはそんな奴だ。
いつも、何気にみつめている。

俺にしかわからないその視線。

熱い、視線。

「さーて!!次もやろうぜ!!」
「ああ‥」
「‥‥‥‥」

知り合ったのは‥‥いつだったのか、俺は知らない。
気付けば仲良くなっていた二人。

気付けば、二人は一緒に練習していた。

俺の知らないところで二人は、二人の世界をつくっていた。

「‥‥‥‥」

二人の世界を守る壁は薄いくせに、かたくてやぶれない。
城壁、鉄壁‥‥。

気付くのが遅かった。

いつの間にか、気持ちを通じ合わせていた。

お互いに想いあっていた。

手塚が宍戸を見つめる。
宍戸が手塚に視線をおくる。

その間にある二人の感情。

俺がわからないわけがなかった。

だって俺は‥‥。
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