*拍手小説*
Fuma Monou
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[ kamui ]
「お兄ちゃん、夕飯できたからお父さん呼んで来てくれる?」
「ああ」
「多分神殿にいると思うから」
夕飯の支度が終わり、茶を注いでいる小鳥。
封真は廊下を渡って神殿の方へ行く。
最近神殿に行くことが増えたような気がする
――父・鏡護の姿は神殿の御神体『神剣』の前にあった。
紫の布に包まれた神剣を、見た目では分からないが無駄な筋肉は付いていない、力強い両手で持ち。
深刻な顔をしていた。
「父さん。夕飯の支度が終わった」
「封真か。・・・分かった、すぐ行く」
神剣を元の位置に戻して、迎えに来た息子と神殿を出る。
食事中、封真は神剣を持っていた父の姿を何度も思い出した。
神剣
―――、一瞬自分を呼んでいるかのように感じた。
あの胸の高鳴りは一体なんだったのか・・・・
「今日ね、神威ちゃん・・・学校に来なかったのよ。風邪だって」
「そうか・・今の時期はひきやすいからな・・」
「お見舞い行きたいんだけど、家分からないし・・・」
封真の脳裏に6年前の幼い神威の姿が映る。
――――神威
―――― 暗い深夜の神殿。
封真は神剣を取ると、紐を解いた。
はらりと落ちる布の下から現れたのは、1mはあるであろう重い剣。
柄と刃をつなぐ中心部に真紅の玉がはめ込まれ、その中には六芒星の模様が浮かんでいる。
「・・・・神威・・
―――重なり合う、2つの運命(さだめ)
―――」
剣道部に所属しているだけあって、剣を持つ封真には違和感など無い。
只その瞳は鋭く、暗く
――それが神威の双子星としての『もう1人の自分』だというコトは、まだ本人すら気付いていなかったのかもしれない。
拍手お礼小説第1弾。
アニメ沿いで書いたので、小鳥のクラスに神威が転校してきて、
まだあまり日数がたっていないという設定。
封真メインの小説初挑戦。
お粗末さまでした
* 本堂を神殿に訂正しました *