さぶ

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肉の腐るニオイ

甘いような

不快なニオイ

手について離れないそのニオイを

鼻について離れないそのニオイを


見つめる先には何もなく

感触とニオイだけが残るその感覚が

虚しさにあふれる


うっすらと開いていた目は濁り

その先に何も映さない

閉じようにも閉じれずに

ただ見つめていた

先の無い空間を


彼女が最後に見たのは

暗い壁

冷たい感触と

風の音


彼女が最後に何を思ったのか

誰にもわからない


ただ

“解放される”

そう思ったのかもしれない

“苦しい”

そう思ったのかもしれない


願うのは

彼女の幸せと自由


不幸はこれで最後だ

そう

これで最後

そうでなければならない




おやすみ

小さな命

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