ルカイリ小説
□アイスクリーム
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「ふぅ〜・・・あっついわねぇ〜」
ガルポスに来て五日目、イリアはどうしようもなく、ただただ手で汗まみれの首を扇いだ。
「この暑さっ!どうにかならないかしらっ!!!」
向こうの方から、暑さでフラフラのルカを見つけて、こっちに来るように手招きをした。
「ルカっ!アイスクリームやさんでアイス買ってきてよっ!!」
「えぇええっ・・・」
「買ってきてくれたらあたし、あんたの言うことなんでも聞く。」
「いってきます!」
イリアはさっそくルカをお使いにいかせた。数分後、ルカはアイスクリームを両手にもって戻ってきた。
「はい、イリア。バニラしかなかったけど・・・」
「上等上等っ!フフンっ!いっただっきまーす!!」
冷たく甘いアイスクリームにイリアは感激の声を上げた。
「んんんっ〜★美味しいぃい〜」
「そう?僕あんまりアイスクリーム食べたこと無いんだけど・・」
「なんでぇ?こんなに美味しいのにっ!!」
「母さんがいつもシャーベットを作ってくれてたから・・・アイスクリームをわざわざ買いに行ったことなんて無いな・・・」
そんな話をしている間に、アイスクリームはどんどん溶けてゆく・・
「うわぁっ!!ちょっと、おたんこルカっ!!話してたら溶け始めちゃったじゃないのっ!」
「この暑さだしねぇ・・・しょうがないよ・・・ハァ・・」
「キャッ!冷たいっ!!」
アイスの汁は、イリアの手首から腕へと流れていく。
「もうっ、ベトベトっ!!」
「(////!!!)」
イリアはその汁を腕から手首へとゆっくり舐める。
「(駄目だっ・・・変なこと思い出しそうだよ・・・)」
「あっ、また!!」
イリアはその行為を何回も繰り返す。
「ふぅ・・・なんとか大丈夫みたいってルカっ!!」
「はぁひぃ!?」
「あんたも垂れてる垂れてる!!」
「あ、本当だ!!」
「しょうがないわね!」
「いいよっ、自分で出来るから。(これ以上何かされたら、僕、どうにかなっちゃうよ・・・)」
「そ・・・そう」
「うん」
バキ
「あ」
「うわっ!!」
「ちょっとっ、」コーンの下に穴があいたっ!!!」
「(わわわあわっ///)」
「下から食べていくしかないっか・・・」
アイスを下から食べていくイリアをルカはじっと見つめていた。起用に舌を動かして、溶けたアイスを食べていく。すると、その一滴がたまたまだろうか、イリアの顔に掛かった。
「ひゃっ!!!」
しかしイリアが悲鳴を上げたのはアイスが顔に掛かったからではなかった。ルカがその場にイリアを押し倒したからだ。
「る・・・ルカっ!!」
「・・・・」
「ちょっとっ!!」
「誰も見てないよ」
「そういう問題じゃないっ!!離せっ!!」
「嫌」
「え」
「駄目」
「すぐ終わるから」
幸い誰も見てはいなかったが、ルカの「すぐ」はすぐではない。始められたら彼の暴走は止まらない。
「やだっやだっ!!」
「おとなしくしてよ、イリア」
「離せっ!!おたんこルカっ!」
イリアはまだ持っていたアイスクリームをルカの顔に投げつけた。すると、見事に命中し、イリアはルカから逃げることが出来た。
その後、イリアは(スパーダに)守ってもらい、(アンジュに)ルカの暴走に釘を刺してもらった。