ルカイリ小説
□ひたすら信じる
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「ルカ・・・ルカっ!!」
小さく叫ぶと目から涙が落ちて頬から首筋へとたどった。今はもはや、ルカをひたすら信じることしか出来ない。
「早く来てよ・・・ずっと待ってるから、早く来てよっ!!」
数時間前、あたしは仲間とはぐれてしまった。辺りには誰もいなかった。そこであたしを待っていたのは最強のモンスターの勢揃い。容赦なく襲い掛かってくる。
最初のうちは余裕だったけど、回復や攻撃をするに連れて、体力も限界に近づいてきた。
それを待っていたかのようにモンスターたちは以前より強く攻撃してきた。
今となっては立っているだけでもやっとなぐらい。
モンスターたちの手からようやく逃れ、ココでずっと息を潜めて隠れている。
怖いよ
苦しいよ
痛いよ
でもあたしは待ってる。ルカ、あんたを待っているから。
もう少し待てば、あんたがあたしの名前を呼んで、走ってきてくれるから。
あたしをなぐさめてくれるから。
あたしを抱きしめてくれるから。
だから何があっても、あたしはあんたをひたすら信じる。
あんたを信じていれば、なにがあっても怖くないはずだから。
心細い想いをしなくてもすむから。
それに、もうすこし頑張ろうって元気が出るから。
ルカ、あたしの名前を呼んで。
あたしの方に走ってきて。
「イリア・・・イリア・・・」って
あんたにもう一度会いたいから!
「イリアっ!!!」
ほら来た。
「イリア、大丈夫?あぁ、怪我してる!!すぐに手当てしなきゃ・・・イリア?」
「あたしね、分かってたの。最後は必ず迎えに来てくれるって。待ってれば必ず来るって。」
「イリア?」
「ルカ、あんたを信じる事ができて良かった。あんたを信じて待てなかったら・・・あたし・・・」
「イリア・・・」
ありがとう、ルカ。
ありがとうね?
これからもあんたの事信じさせて?
これからもあたしに元気をちょうだい?
これからも・・・一緒に居ようね。