ルカイリ小説


□花
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「あ・・・・イリア、踏んじゃダメっ!」
「ほぇ?」
「足下見てごらん。」

イリアの足下には一輪の小さな花が咲いていた。

「こんなところに・・・花?」
「綺麗だよね。まるでイリアみたいだよ。」
「は?」

花にたとえられて、イリアは一瞬どういう風に反応すれば良いか分からなくなってしまった。

「な・・・何よっ!あたしがどこらへんにでもいそうな奴だって言いたいの?」
「違うよ。だって・・・この花、こんな荒れた土地にもちゃんと育っている。時には雨が降らずにしおれちゃうけど・・・最後は必ず花を咲かせている・・・そういう所がイリアと似てるんだよ。」
「フ・・・・フンっ!だったらアンタは雑草程度ね!」
「雑草?」
「そ。踏まれても踏まれてもめげずに真っ直ぐ生きようとしている所が似てる。」
「へへへ、そうかな?じゃあ僕は一生雑草で良いよ。この一輪の花を支えることができて、一緒にいることができるならば。」

「勝手にすれば!?あたしは自分の力で自分の花を咲かせたいっ!」
「イリアは強いお花だね。」
「雑草だって美味しいわよ?」
「・・・・褒められているの?ちょっと分かんないな。」

「だって、雑草の役目は花を支える事だけじゃないもん・・・」

雑草は花の友。

イリアはルカに支えてもらえるだけではなく、お互いを頼り合うような関係を築きたいのだ。

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