ルカイリ小説


□踏切
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「あ〜!もうこんな時間っ!ルカと会う約束してたのにっっ!!」
「お、デートか?」
「ちっが〜う!」
「へーへー、ラブラブのお二人さんなんかどっかいっちまいな・・・どうせ俺なんか・・」
「な・・・なにすねてんのよっ!」

いけないいけないと首を振り、急いで街中を駆けていった。

カンカンカンカン

「踏切!?もう時間ないのに・・・いいわっ、行っちゃお!」
降りてきた遮断機を強引にくぐると、イリアは再び走り出した。
「あっ!?」
途中で何か引っ張られている感じがしたのでイリアは足元を見た。すると、何かの網の切れ端が足に絡まっていた。
「な・・・なによっ。」
取ろうとしても、なかなか解けない。電車はどんどん近づいてくる。
「ちょっっ!何で取れないのっ!」
イリアの額には焦りが増してきた。ふと見上げると、もう電車は目の前に来ていた。

「(もう・・・死ぬっっ!)」

死を覚悟したとき、何か別のものがイリアを引っ張った気がした。目を開いてみると、ルカの顔が真正面にあった。

「あれ・・・助かったの・・?」
「うん。」
「え・・・でも・・・」
足元にはまだ網の切れ端が付いていた。それを見ると、イリアは血の気が引いた。
「あ・・・」
「イリア、大丈夫?」
「ルカ・・・助けて・・・くれたの?」
「うん。」

温かい笑みでルカは彼女を見つめた。彼女は彼の胸に顔をくっつけた。
「怖かった・・・」
「よしよし」
まるでお兄さんのようにルカはイリアの背中をさする。いつもなら逆の立場なのに。
「イリア、どうしてあんな危ない事したの?」
「だって・・・ルカの約束が・・・約束が・・」
「僕との約束、命懸けで守ってくれて嬉しいよ。」

そしてルカはイリアをもっと強く抱き寄せた。
「でも二度とあんな事しないで。君に何かあったら・・・僕生きていけないから・・・」
「ルカ・・・」
真冬なのに、とても体が熱かった。でもいつもの熱さとは違うのだ。
「僕は・・・君のことが・・・」
最後の言葉は小さすぎてイリアには聞こえなかった。でも言いたいことはすぐに伝わった。
「あたしも・・・」
「・・・///」

ルカは手を差し伸べ、イリアはその手を取った。そして2人は雪の中、なによりも美しく温かく歩いて行ったのだった。
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う〜ん・・・こういうルカイリっぽい展開を期待してたのにな・・・765残念・・・

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