ルカイリ小説


□満員電車
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「ふぅ・・・イリア、たくさんお買い物したね・・」
「そーよ!こういう物は買えるときにたくさん買っておかないと♪」
「よっぽどお洋服が好きなんだね。」
「ドレスとかは別!でもこのズボンカッコよくない!?ほら、さっきのスカーフもかなりいけてたよね!?あんなのはめったにないのよねぇ〜」
「ふーん・・・そうなんだ。でもなんで僕が全部持っているの?」

ルカは軽〜く一キロはする大きな紙袋を二つ持っていた。その紙袋はパンパンで、今にもはちきれそうだった。

「な〜に言ってんの!?こういうのは男の子がするものでしょ?」
「そ・・・そうかなぁ・・・」
「第一あんたはひょろひょろしてるんだから、こういうのは強くなるための訓練だと思いなさいよね?」
「えぇぇぇぇぇぇ・・・」

2人は行きと同様で電車に乗ろうとしていた。
『○×駅で人身事故があったため、車内はかなり混雑しております・・・』
「うっそぉ〜!」
「うわぁ・・・大変そうだね。」
「ど〜すんのよ!」
「(僕に聞かれたって・・・)」

周りの人々はホームを出て違う方法で行くなり、辺りで暇つぶしをしようとするなり、かなりざわめいていた。そのなか、ルカの頭の中にひとつの提案が浮かぶ。

「そうだ!僕が君の荷物を宅急便で送ってあげるよ、レグナムに!」
「それだったらさぁ、タクシーで行ったほうが早くない?」
「イリア・・・ここからタクシーだと×××××ガルドするんだよ・・・」
「・・・あ・・・そぅ・・・」
「それにギルドに依頼して、三日以内に届けてもらうよ。それだったら、お金にも少し余裕が残るし。」
「・・・んで?あたしたちはこの電車に乗るの?」
「そうだね。そろそろ帰らないと、スパーダから罰ゲームをさせられるよ。」
「ゲッ・・・ヤバイじゃん!」

『3番線に、電車があと30分ほどで到着いたします。」
「30!?ギルドのところまで20分で着くかどうかなのに!?」
「おたんこルカ!走りなさいよ!」
「えぇぇ・・・」
無論、ルカにとって2キロの荷物を持って走るというのはほぼ100%無理だった。それでも彼は全速力で走って戻ってきたのである。

「おつかれ〜♪あんたやれば出来るじゃん♪ちょうど電車も来たし〜♪」
「はぁはぁはぁ・・ありがとう。」

ギィィ――――――

「うっわぁぁ!」
「混んでるね」
「よ、よし。つぶされるの覚悟で入るわよ!」
「うん・・・そうだね!」

『発車します、列車から離れてください。』

ガタンゴトン―――――

「ふぅ・・・助かったぁ。」
「何とか入れたね、コレで後は終点まで待つだけ。」
「終点・・・・何分?」
「40分ぐらいかな。」
「40分もこの体勢でいるの!?」
「イ・・・イリア!声が大きいよ!」

ルカは辺りを見まわしたが、みな自分がどこでどうやって降りるかを考えているみたいで、他人のことは頭にはいっていないみたいだった。

「(そういえば・・・)」
イリアはスパーダが前日言ってたことをふと思い出した。

「なぁイリア?」
「なによ?」
「ルカの奴、お前に気があるみたいだぜ?」
「まっさかぁ〜。」
「マジだって!今度試してみろよ!」

「(試す・・・?)」
これはいい暇つぶしになりそうだが、どうやってルカの気持ちを試せばいいのかわからない。今はほとんど身動きが取れない、満員電車の中にいるのだから・・・

「(あった・・・・)」
ニヤリと笑う。
「(待ってなさいよ・・イッシッシ・・・)」

ガクン――――
電車内でよく起こるいきなりの揺れ。それにわざわざバランスを崩したようにイリアがリアクションを取る。
「おっとっとぉ〜」
ルカの腕を掴んだ。
「うわぁあ!イ・・・イ・・・イリア・・?」
「ごめ〜ん、ルカ。腕痛いよね?すぐに離すから・・・ってキャッ!」
すぐまた起こった揺れに今度はイリアがルカに軽く倒れこむ。その際胸を押し付ける。初めての感触に、ルカは戸惑いを隠せず、顔を赤らめる。そして、倒れこんだイリアの背中に自分の腕を巻きつける。
「ルカ?」
何も知らないように上目で見上げる。その可愛さがなんとも言えず、ルカは黙り込んでしまった。
「ルカ、ありがと。もう大丈夫だから・・・」
「もう少し、このままでも良いかな?」
「え、何?聞こえなかった。」

プツン――――――
ルカは自分の何かがキレたことを感じた。それと同時に、イリアの唇を自分の唇で塞いだ。
「・・・んっ・・・」
「・・・」

長い長いキスだった。それは、とろけてしまうほど甘い味がした。さすがにキツさを感じたイリアは、ルカの胸を拳で軽くたたく。するとルカはそっと自分の唇を離した。

「ルカ・・・あんた・・・」
自分がしていたことにルカはいきなり気がついて、顔をイリアと同じ髪の色にしてしまった。
「あ・・・あ・・その・・僕はその・・・」
「いいわよ、別に。それにしても、あんた、私のことが好きなの?」
「!!」

「・・・スパーダ?」
「え?」
「スパーダが言ってたの?」
「え、うん」
「だれにも言わないでって言ったのに!」
「あんた、相談する相手が間違っているわよ。」
「で・・でも」
「あたしは、おどおどせずに、ちゃんとハッキリものを言う男の子がすきなの!」
「・・・・スパーダが好きなんだね・・・」
「ち、ちが!(コイツマジで鈍いんですけど)あたしが言いたいのは、あんたがあたしのことが好きなんだったら、ハッキリいいなさいって事よ!」
「え」
「だから、言ってよ。『好きだ』って。」
「えぇぇ・・・」
「いやなの?」
「そ、そんなことは無いけど。」
「じゃぁ言ってよ。」
「え・・えーっと・・・き・・・君のことが・・・す・・・す・・す・・・」
「聞こえないわね。」
「君のことが、す・・・す・・すき・・」

『終点、レグヌムです。』

「あ、着いたわよ!降りよう!」
「え・・・あ・・・そうだね。」

「う〜ん!生き返ったぁ〜!」
「イリア、君に言わないといけない事があるんだよ。」
「あ、そぅ?なにぃ?」
「電車の中でいえなかったから今言うね。」
「(ま・・・まさか!!!)」
「君のことが・・・・君のことが・・・す・・・好き・・・だよ・・・イリア。」
「え」

顔を赤らめたのはイリアだった。アレは冗談半分で、まさか本当に言ってくるとは思わなかった。嬉しいのに、イリアはそれを見せなかった。
「フ・・・フン!あったりまえじゃない!友達なんだから、好きでいてもらわないと!」
「ちがうよ、イリア。そういう意味じゃなくて・・・」
「い、いくわよ!おたんこルカ!」
「う、うん・・・」

「好きだ」と言って、イリアに嫌われるか恋人にされるかの二選択に迫られていたルカが、一番彼女の態度を見てほっとしていた。

――――――――――ー
あとがき:下手くそでごめんなさい。でも、ルカイリを書くようにとリクエストをいただいたので、書かせていただきました。これからもアンケートをよろしくおねがいします。それを素に書いていきますので。では。

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