頂き物小説★+Present

□『誰のものよりも甘いケーキをあげる』
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(I スパーダxイリア編)



「あぁ?イリア、お前何作ってんだ?」


鍋を目の前にレシピを片手に何やら奮闘している少女にスパーダは背後から覗き込む様に声を掛けた。


声を掛けられたイリアは一瞬肩をビクリと震わせ、「ギャァー!!」と 何とも少女らしくもない叫び声をあげた。


「アンタねぇ!!いきなり背後から近付いて来ないでよ!びっくりしてチョコが溢れちゃったじゃないのよ!」


「チョコだァ?おっ、ケーキじゃん!どうしたんだよ、これ」



地面を蹴りながらかるくヒステリックな声をあげる彼女を全く気にする事なく、スパーダは目の前にあるものに興味がそそられた。



「…アンジュが、さっき言ってたんだけど…今日はバレンタインっていって、女の子が好きな人にチョコをあげる日なんだって。」



「ほ〜。…で?お前はルカにやんのか?」


「何でそーなるのよ! …まぁ、あげない事もないけど…。
アンジュとエルも食べたいって言うから一応全員分あるわよ。」


「マジで?オレのもあんの?」


「一応ね…。アンタみたいなボンボンに口に合うか分からないけど。」

「嫌な言い方すんなよな〜。
てか、イリア。指にすげぇチョコついてるぜ?」


スパーダがイリアの手を指差すと彼女は眉をひそめ「げげっ!!」と声をあらげた。


「もー。スパーダが急に声掛けるから」


「オレのせいかよ?!
…まぁ丁度良いや。ちょっくら味見してやらァ」


「はぁ?アンタ何言って……?!」


スパーダはチョコが付いているイリアの右手をとると、そのまま彼女の人差し指を自分の口の中へともっていった。


「…?!!に゛ゃあああー!!!」


「うお、あめぇ…!
お前これ砂糖入れすぎじゃねぇ?」


「あんたっぬぇ〜!!いきなり何すんのよ?!
撃たれたいわけ?!」


「ンだよ。別にまずいとは言ってないんだから、そんな怒んなよ。」


ちっがーう!!あたしが言ってんのはそーいう事じゃない!
このスケベ大魔王!」

「変な称号つけんじゃねェ!!イリアのあほ!」


「ぬわぁんですってぇ〜?!
もうアンタになんかケーキやんないんだから!!」


スパーダから顔を背けるとイリアは再びチョコケーキを作り始める。

それを見て慌てたスパーダが必至に彼女のご機嫌をとろうとするが無視されていた。


「…ンだよ。せっかく美味かったのにな〜…」


仕方なく諦めて他の仲間達の元へ戻ろうとしたら、細い腕で引き止められた。


「…ほら。仕方ないからあげる」


スッと差し出されたのは大きく「義理」と描かれた、他のものよりも少しばかり大きめのチョコケーキ。


「なんだ、こりゃ」


「うっさいわね。いらないなら棄てて良いわよ。」


「いいや。有難く貰っとくぜ。…ありがとな。」


フン、とイリアはスパーダから顔を背けると熱った顔を見られないかのように、また他のメンバー達の分を作り始めたのであった…。






誰のものよりも甘いケーキをあげる

end.

大本命のスパイリ。



この二人は仲良かったり、喧嘩したりと他のメンバーに呆れられてたら良いよ。(何言ってんの)


読んで下さり、有難うございましたvv



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