輝く物語


□ハッピーエンドなんてありえない
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ヨニンハエイユウ ヒトリハウラギリモノ




デモカレハウラギリモノナンカジャナイ・・・



タイセツナ ナカマナンダヨ?




「何て目覚めの悪い朝なの・・・」


船の上にいることでさえ気持ち悪いのに、

よりによってあの夢だ。




何度も何度も見てきた夢。
何度も何度も聞いた言葉。




何かの呼びかけのように

何かの嘆きのように


繰り返されて


繰り返されて


繰り返されて




「誰の・・・話なの?」




イリアは悩まされていた。



ハロルドに進められた新しい頭痛薬も飲んでみたが、効果はないようだ。



隣に寝ていたスパーダとルカも、ゆっくりと目覚めはじめる。


そしてイリアの顔色を伺うといつものように聞くのだった。



「また、あの夢か?」



「・・・うん。」



スパーダもルカも耳にたこが出来るほど同じ話を繰り返しされていた。

スパーダは手のひらをイリアの額にあてた。





「熱は・・・ねぇな。目覚ましに甲板にでも行くか?」


「うん・・・ルカはどうする、ってあ・・・」




目を離した隙に、再びルカは眠りについていた。
イリアが起こそうと身体を揺らすが、ルカは眠ったまま。
スパーダも諦めろ、とイリアをなだめ、コートを着た。
あと10分で朝食なのに。



「じゃあ、行くか?」


イリアは頷くと、部屋を後にした。
保証されている今日という日の幕開けを見に。
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