短編小説

□願いを叶える魔法使いの手
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 それは、魔法の小瓶なのです。願いが叶う魔法の小瓶なのです。





 ガラスで出来たビンに、木の栓で口がふさがれています。

 その中には、一枚の、真っ白な紙切れが入っているのです。

 何が書いてあるのか、もしくは何も書いていないのか、誰も知りません。



 魔法の小瓶は、海を渡って各地へ辿り付くのです。

 どこから流されているのかは、誰も知りません。誰が作ったのかも、誰にも分からないのです。




 魔法の小瓶には、こんな言い伝えがあります。

 紙切れに願いごとを書いて、また海に流せば、その願いが叶うという言い伝えです。





 人々は願いを叶えたくて、叶えたくて、魔法の小瓶を求めるのです。



 
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