Book D.G

□ファーストネームで呼ばせて
1ページ/5ページ






薄暗く殺風景な廊下を神田は一人歩く。

なんでも、ジェリーの激うま蕎麦レシピが書庫に眠っているらしいのだ…。いつもながら「面倒臭せぇ」とか言う神田だが、好物の事となっては違った。




――カツ、カツ。

ブーツの足音が廊下に響き渡る…


今日は人気がねぇし、寒いせいか不気味だ…。
まぁいい。



と、その時!!
いきなりガバッと肩を掴まれた。

敵かっ!?神田は条件反射で六幻を身構え後ろを見た


「チッ、気配消して近付くんじゃねぇ‐よ、糞モヤシ!!」

血相を変え睨み付ける神田に同様しつつも
「そんなに怒んなくてもいいじゃないですか。それに僕はモヤシじゃなくて、アレンですっ!ユウは何してたんですか?」

「俺はジェリーのレシピを…あ゙??モヤシごときが俺のファーストネーム口にしてんじゃねーよ!!」

「ユウ恐いですよ?そんな可愛い顔で嫌がらないで下さい。」

「刻むぞ!モヤシ」

睨み付ける相手を他所にし、一瞬で神田の背後に回り込み、アソコをグッと掴む。
左腕のイノセンスは神田の腕を一纏めにし動けないようにした。

「……っ!!何をする」


自分の顔を神田の耳元に近づけ、相手に囁くように呟く

「…イケない子ですねユウは♪2人きりの時は名前で呼び合いましょうって言ったのに…悲しくなりますねぇ。表面上ではいがみ合っている僕らだけど、裏ではこんなに愛し合ってるのに」

「っぅせ―ぞ!ぐだぐだ嘘ぬかしてんじゃねぇ!早くこの手放せっ」


下を掴む手に力を込め、妖笑する。

「くっ…ぁ」

業と耳元で囁きかけ

「アレンですよ。言ってみて下さい…ユウ…。」

「誰が言うか!!」

「くすっ♪イケない子にはお仕置きが必要ですね」







次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ