Book D.G
□ファーストネームで呼ばせて
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薄暗く殺風景な廊下を神田は一人歩く。
なんでも、ジェリーの激うま蕎麦レシピが書庫に眠っているらしいのだ…。いつもながら「面倒臭せぇ」とか言う神田だが、好物の事となっては違った。
――カツ、カツ。
ブーツの足音が廊下に響き渡る…
今日は人気がねぇし、寒いせいか不気味だ…。
まぁいい。
と、その時!!
いきなりガバッと肩を掴まれた。
敵かっ!?神田は条件反射で六幻を身構え後ろを見た
「チッ、気配消して近付くんじゃねぇ‐よ、糞モヤシ!!」
血相を変え睨み付ける神田に同様しつつも
「そんなに怒んなくてもいいじゃないですか。それに僕はモヤシじゃなくて、アレンですっ!ユウは何してたんですか?」
「俺はジェリーのレシピを…あ゙??モヤシごときが俺のファーストネーム口にしてんじゃねーよ!!」
「ユウ恐いですよ?そんな可愛い顔で嫌がらないで下さい。」
「刻むぞ!モヤシ」
睨み付ける相手を他所にし、一瞬で神田の背後に回り込み、アソコをグッと掴む。
左腕のイノセンスは神田の腕を一纏めにし動けないようにした。
「……っ!!何をする」
自分の顔を神田の耳元に近づけ、相手に囁くように呟く
「…イケない子ですねユウは♪2人きりの時は名前で呼び合いましょうって言ったのに…悲しくなりますねぇ。表面上ではいがみ合っている僕らだけど、裏ではこんなに愛し合ってるのに」
「っぅせ―ぞ!ぐだぐだ嘘ぬかしてんじゃねぇ!早くこの手放せっ」
下を掴む手に力を込め、妖笑する。
「くっ…ぁ」
業と耳元で囁きかけ
「アレンですよ。言ってみて下さい…ユウ…。」
「誰が言うか!!」
「くすっ♪イケない子にはお仕置きが必要ですね」
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