頂き物

□『神様は笑わない』 はにゃこサマより。
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これが運命だとするならば、おとなしく受けいれよう
どんなに離れていても、心に深く繋がれし鎖は、決して壊れはしないと…知っているから
 
 
◆神様は笑わない◆
 
 
「白銀…もうじき自分は逝くと思う…」
「……いきなりなに言ってんだよ」
「なんとなく、そんな気がするんだ―…」
 
ここは光と影の中立地帯にある廃工場
白銀と劉黒の唯一、逢瀬が許される場所
 
「ずっと…お前に伝えたいことがあった―…だから今日は逢いに来たんだ」
「なんだよ…劉黒から改まって話だなんて…」
 
ふたり、建物の外壁からとび出す太目の鉄パイプに並んで腰かけ、身体をよせる
 
「白銀……俺達は離ればなれになったとしても、必ずまためぐり逢えると信じている…だから…待っていてほしい」
「劉黒―…」
 
どちらからともなく視線が重なれば、わきあがる情欲を止める術はない
 
風になびく白と黒の髪は生糸のごとくに絡み合い、対称的なその様は悲しいほどに美しかった
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